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2010年9月 3日 (金)

2010年8月に読んだ本

以下,8月に読了した順に記す.

8月は夏休み(3日だけだけど)をとった割には冊数を稼げず.

傾向としては歴史ものが多かった.

※ 2010年10月19日,タイトルからアマゾンにリンクを貼る.

 

○ 大和朝廷の起源―邪馬台国の東遷と神武東征伝承 推理・邪馬台国と日本神話の謎  安本美典著 536p.勉誠出版

 先月に倭・倭人・倭国は元々は大陸にあったという本を幾つか読んだ反動かもしれないが,美典さんの著書を久しぶりに読んだ.個人的には,倭・倭人・倭国は大陸にあったという考えは頷ける一方,美典さんの天照大神=卑弥呼説,邪馬台国東遷説はとても説得力があるように思う.誰か両者をつなげる研究をしてくれないものか.

 

○ 歴史〈中〉 (ワイド版岩波文庫)  ヘロドトス著/松平千秋訳 385p.岩波書店

 先月の「上」に続き,本冊「中」(原著の4〜6巻)を読む.ダレイオスの統治とマラトンの戦いをバックボーンにおきつつもギリシャ地方のエピソードを色々記述している.ヘロドトスも含めギリシャ世界では神託を中心に世界が回っていたことを改めて感じた.また,前冊の内容もそうであるが,古代の人々は思っていたより広範囲に行き来があったことに気がつかされた.ギリシャの国家(都市)間の話を読むにつれ,ダレイオスの名君ぶり或いはペルシャ世界の先進性を感じてしまう.その一方,ギリシャ人たるヘロドトスが,そのようにも読める記述を書き記し,それが現在まで残っていることを裏返して考えると,ヘロドトスを含め,そのような本を抹殺せずに伝えたギリシャ人の偉さがあるように感じた.

 

○ 失われたミカドの秘紋 エルサレムからヤマトへ 「漢字」がすべてを語りだす!  加治将一著 482p.祥伝社

 秦氏-秦-ユダヤという切り口の小説.後半の詰めが甘い気がするが,中国の王朝,漢民族,中国の「寺」に関する考えは共感するところが多く,興味深く読めた.なかなか読了出来ない大著「秦氏の研究」に何時かはリトライしたくなった.

 

○ 歴史〈下〉 (ワイド版岩波文庫)  ヘロドトス著/松平千秋訳 447p.岩波書店

 「歴史」の最終冊(原著の7〜9巻)である.ペルシャ・クセルクセスとギリシャの戦いが主題である.映画「300」のネタになる部分は思っていたより僅かであった.本冊にて「歴史」読了.楽しゅう御座いました.アレキサンダー大王の遠征をヘロドトスが書いたら面白かったであろう.

 

○ 葬られた王朝―古代出雲の謎を解く  梅原猛著 318p.新潮社

 古代出雲について文献学,考古学などからアプローチした本を読んだことがなかったので,とても勉強になりました.本文を読み進めるにあたり冒頭にある「古代出雲王朝関連地図」は地名の位置や位置関係を確認するのに大変有効でよかった.文献学的な部分では,稗田阿礼=藤原不比等説に興味を引かれた.関連して,記紀の書かれた意義に対する梅原先生の考え方にも興味を引かれた.考古学的な部分では,例えば銅鐸の分類や分布の解説は写真や分布図を多用しておりわかりやすく勉強になった.巻頭や随所に挿入されている現地取材の際の写真はちょっとした旅行記風で時間がとれたら出雲に行ってみたくなった.以上のように,図や写真が大変有効に使われていることも本書の特徴と言えよう.

 

○ 匈奴―古代遊牧国家の興亡 (東方選書)  沢田勲著 213p.東方書店

 6月に読んだ「遊牧民から見た世界史」で引用されていた本.コンパクトながら匈奴史が文化や社会興亡を交えて解説されていて,その概要を知ることが出来た.近年の発掘成果なども交え執筆されているが,古代の周辺諸国,特に中国の史書に多くを負っている.前書きに,匈奴討伐に出撃し匈奴に投稿した漢の武将李陵への連座で宮刑(去勢にされる刑というらしい)にあった司馬遷が著した「史記 匈奴列伝」が最初のまとまった記録であるという紹介がある.二千年以上前に書かれた記録が今日まで残り,今日でも役立つ内容を持つことは驚きである.今後の課題として触れられている匈奴の文字やフン族との関係については興味が尽きない.

 【参考:6月に読んだ本】

 http://carexcat.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-9de4.html

 

○ 黄衣の王 (創元推理文庫)  ロバート・W・チェイムバーズ著/大瀧啓裕訳 454p.創元推理文庫

 カルコサ,ハスター,黄の印・・・.HPL(ラヴクラフト)に影響を与えたチェイムバーズ(一般的にはチェンバース?)の「黄衣の王」を読みたくて購入.HPLの訳をしていた大瀧先生の訳がさえる(英語わからないのでそういう気がします coldsweats01).チェンバースの「黄衣の王」は全10作の短編からなるようであるが,本著は4編のみ収録.残りを期待したい.

 

○ 一日江戸人 (新潮文庫)  杉浦日向子著 264p.新潮社

 面白くあっという間に読了.文章軽快・図も楽し.本のタイトルのように江戸庶民の暮らしが楽しく身近に理解できる.杉浦さんの本を色々読みたくなった.こんな人が若くして亡くなられたのは残念.合掌.

 

○ 遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)  柳田国男著 268p.角川文庫

 意外なことに今まで遠野物語を読んだことがなかった.本体が短いのに驚く.ある意味ヘロドトスの歴史のうち各地の風土風習を記載した部分に通じるところがある気がする.しばしば出てくる背が高く顔に赤みがあり輝く目をした山神,実在するように思えるが,あるいはアイヌ等北方系の人ではないのだろうか.柳田先生の考えを少し勉強してみたくなった.全集を買おうか買うまいか.

 

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